
食品と医薬品に関し知識がある個人として、小林製薬の紅麹サプリメントの問題に関する所感を述べます。
今回の問題は小林製薬の特定ロットの紅麹原料を使用した製品に含まれる何らかの成分(プベル
ル酸等)が引き起こした健康被害である可能性が非常に高いです。
現在、紅麹を含む他社の製品や紅麹ではない麹製品においても消費者からの問い合わせが殺到しているようですが、今回の問題とこれらの製品とは切り分けて考えるべきだと思っています。
一方、今回露呈した大きな課題が健康被害情報開示の大幅な遅れです。
健康食品に由来する健康被害の情報をいち早く収集し、迅速かつ正確な対応を行う体制の構築が非常に重要だと思います。健康食品はコンビニやドラッグストア、インターネットを介して非常に幅広く販売されているため、現状なかなか監視の目が行き届いておらず、また、そのような「目利き」ができる専門家もきわめて少ないのが現状です。
本来は販売のみでなく、健康食品の製造についても食品や医薬品の品質と安全性に詳しい専門家が関与すべきと思います。特に錠剤やカプセルの形態をとるサプリメントについては、通常の食品から摂るのと比較して特定の成分を大量かつ長期にわたり摂取することになるケースが多いため、特に安全性(健康被害)の面で、専門家(医師・薬剤師・健康食品管理士や食品保健指導士のようなアドバイザリースタッフ)によく相談しながら摂取する必要があります。
私が特に心配するのは、医薬品とサプリメントとを併用するケースです。
両者を併せて摂取すると、身体の中で様々な相互作用が起きることがあります。
場合によっては、サプリメントが医薬品の有効性を弱めたり、逆に副作用を強めるケースも懸念されます。サプリメントと医薬品の相互作用は非常に複雑であり、一般の方にはまず理解するのは困難なため、医師・薬剤師・アドバイザリースタッフに必ず相談しましょう。

コメント