次々更新ヘルスケアブログ

2024/9/2-2

【医家向けサプリメント】免疫調整から栄養療法まで活用増
かつてがんの免疫療法などで使われていた医家向けサプリメントは、栄養療法やエイジングケア分野まで拡大。キノコやフコイダン、玄米由来原料などを活用したサプリメントの需要は安定しており、栄養療法などを行うクリニックでは、ビタミン・ミネラル他、NMNなど新規成分を扱うクリニックも増えている。厚労省の「医療機関におけるサプリメント等の食品の販売を明確化する事務連絡」から10年が経過し、この間、各メーカーは医師に向けて、学会でのブース出展やセミナー開催、サポート体制の充実などを行い、医家向けサプリメントの利用がますます拡大している。紅麹問題の影響は限定的で市場は拡大傾向にある。

医家向けサプリ:10 年で市場は大きく変化

医療機関でサプリメントが広がる契機となったのがちょうど10年前。2014年8月「患者の療養の向上」を目的に、「医療機関におけるサプリメント等の食品の販売を明確化する事務連絡」が通知。2015年に政府が閣議決定した。その後ドクターズサプリメントが浸透し始めた。
それまでは、統合医療を行う医師らの間で、がんなどの治療、術後のケアなどに利用されることが多かったが、現在は、健康増進や美容、フレイル予防、エイジングケアまでに利用が広がっている。30年以上前から、西洋医学一辺倒に限界を感じた帯津三敬病院・名誉院長帯津良一氏は、「身体だけでなく心の状態も診ないといけない。薬では治せない病気がある」というポリシーのもと、ホリスティック療法やサプリメント療法を行っている。帯津医師は、ナットウキナーゼのサプリメントを自身でも摂取しており、自身が経営する帯津三敬病院でも販売している。同院では、このほか乳酸菌やアラビノキシラン含有のサプリメントがロングセラーだとという。

2024/9/2-1

「オーラルフレイル」対策が喫緊の課題に
食事による栄養補給はもちろん、ウイルス・細菌の侵入阻止、会話等の社会的コミュニケーションなど、口腔機能の果たす役割は大きいが、最近は国民の3人に2人が歯周病とされる。加齢に伴い歯周病やドライマウス罹患者は増加する傾向にあり、口腔の虚弱性「オーラルフレイル」対策は喫緊の課題だ。さらに近年の研究では、う蝕(虫歯)と歯周病の口腔2大疾患が、糖尿病や心疾患、がん、アルツハイマー病などのトリガーになるとの研究も報告されている。政府も健康寿命の延伸を実現する施策の1つとして2025年から「国民皆歯科健診制度」の導入を予定する。フレイル対策、生活習慣病予防、健康寿命延伸の観点からもオーラルヘルスケアの重要性が高まりつつある。

総務省統計局によると、2023年の日本の総人口に占める高齢者人口の割合は、過去最高の29.1%となり、75歳以上人口が初めて2,000万人を突破、10人に1人が80歳以上と、超高齢社会の真っ只中にある。高齢者によるフレイル問題が深刻化の一途を辿る中、国を挙げて「健康寿命の延伸」「治療から予防」への取り組みが推進され、予防分野を担う健康産業界の果たす役割は、ますます大きくなっている。
こうした中、近年はフレイルの一丁目一番地として「オーラルフレイル」への注目が高まっている。食事を摂ることは生命維持の根本であり、残存歯数や咀嚼力、嚥下機能などの歯科口腔機能の衰えは、十分な栄養を摂取できない、口から入るウイルスや細菌に対しての防御ができない、ヒトとの会話を避け孤立する――など、フレイルに繋がる危険性が高いと、専門家は警鐘を鳴らしている。

2024/9/1

夏休み明け前の不安に寄り添う、特集企画「夏休みが明ける~夏の終わり、不安を感じるキミへ~」を開設

夏休みが明ける前のタイミングで不安になる子どもたち

18歳以下の自殺は、学校の長期休業明けにかけて増加傾向にあり、特に9月1日の始業日は児童生徒の自殺者が顕著に多いことが文部科学省の統計からも明らかになっています(※1)。その要因は様々なものがありますが、予防策として保護者や学校内外関係者間で連携した、とりわけ長期休業開始前から休業明けまでの間の見守りが必要とされています(※2)。

※1 https://www.mext.go.jp/content/20200824-mext_jidou01-000009294_011.pdf

※2 https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000900898.pdf

「夏休みが明ける ~夏の終わり、不安を感じるキミへ~」特集企画について

ニュースアプリ「SmartNews」では、特集企画「夏休みが明ける ~夏の終わり、不安を感じるキミへ~」にて、テレビ、全国紙、通信社、地方紙などが報じる、不登校、いじめ、貧困など、子どもを取り巻く社会課題や、その解決を目指すNPOや行政の取り組みを伝える記事を集約してお届けします。また、各媒体社が独自に取材した、かつて当事者だった大人たちの体験談に加え、今年は専門家からのメッセージも掲載されます。また、子どもたちの悩みに寄り添いたいと考える保護者や周囲の大人たちに向けて、厚生労働省の「まもろうよ こころ」ウェブサイトへのリンクを随時掲載。公的機関やNPOが提供する電話やSNS相談窓口へ簡単にアクセスできるようにし、必要なサポートに早急に繋がれる環境を整えています。スマートニュースでは、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションおよびCore Valueのひとつである「For the Common Good」の精神に基づき、今後も引き続き子どもたちが安心して生活できるようサポートするための情報を提供していく予定です。

尾林誉史医師(精神科医)のコメント

現在23の企業で産業医を務める他、クリニックで若い世代のカウンセリングを行う精神科医の尾林誉史医師(VISION PARTNER メンタルクリニック四谷 院長)は、昨今の子どもたちの置かれている状況を次のようにコメントし、子どもたちとその関係者にメッセージを寄せています。

【不安定な時代に】

年始から、そして最近でも断続的に発生する地震と実際の被害、異常気象による記録的な酷暑と予測を超えた豪雨、円安基調の為替相場がもたらす日々の生活への不安、長期化する戦争や世界のどこかで起こる敵対的な攻撃、深刻化する貧富差の拡大、コロナ禍後も収束の気配を示さないコロナ感染の問題など、国内外で起こる大きな出来事が、これまでにないほど、私たちの生活や気持ちを不安定な状態にしています。

【これから新学期を迎えるみなさんに】

その大小を問わず、変化をしっかりと感じ取ることのできるみなさんは、夏休みが明けて新学期を迎える、すなわち、ご自身の生活リズムにも大きな変化をもたらすこのタイミングで、とても不安な気持ちを抱えているかもしれません。言われのない不安な気持ちは、自分自身にも起こる新しい変化に対して、臆病さや、気の進まない思いをもたらすことでしょう。そんな時には一つだけ、私から贈りたい言葉があります。「ほんの一歩だけでいいから、前に進んでみよう。あなたにとって変化は、きっと悪いことばかりじゃないはずだから」

それでも前に進めない時には、どうぞしっかりとそのことを、ご両親や相談できる方に打ち明けてください。

【新学期を迎えるこどもたちを見守る親御さんや関係する方々に】

私たちは日々、仕事や生活の中で種々の変化に見舞われていますが、その変化率が大きければ大きいほど、私たち大人も不安な気持ちになるものです。ましてや、感受性の高いこどもたちは、変化に敏感に反応し、新たな変化を好んで受け入れられるこどもたちは、とても少ないことでしょう。強制力をもって、他のこどもとの比較をもって、無理に背中を押すことはもちろん望ましくありません。小さな変化から始め、変化の先にある結果から学び、また小さな変化を見出す。そんな丁寧な作業を、こどもたちと行い、見守れる存在でありたいものです。

2024/8/29

「休養=寝ること」は間違いかも。医学博士が教える、あなたを疲れから救う“7つの休養タイプ”
朝起きた瞬間から、体がだるい。
休日はゆっくりと過ごしているはずなのに、週始めからクタクタに疲れている……。
そんな悩みを抱える人は、もしかしたら“休養の仕方”が間違っているのかもしれない—— 。

『あなたを疲れから救う休養学』(東洋経済新報社)を上梓した医学博士 片野秀樹さんに、効果的な休養について教えてもらった。

寝るだけの休養では「フル充電」は出来ない

休日はクタクタな体を癒やすために、昼過ぎまでベッドで過ごしたり、何もせずにソファーでゴロゴロしたりという人も多いだろう。しかし片野さんによれば、寝ることや何もしないことを繰り返すのは、最適な休養ではないという。
「人間は、『仕事や日常生活などの活動→活動をしたことで疲労する→休養する』というサイクルを繰り返しています。日本人の多くは、休日に眠ったり何もしなかったりして、次の活動のための充電をしているわけですが、それでも日本人の8割は「疲れている」と感じています。

つまり、眠ること・何もしないこと=効果的な休養というわけではないのです。
私の感覚では、休日に体を休めるような休養をとっても、マックスで50パーセントくらいしか充電ができない人が多いイメージです」

活力を満たす“攻めの休養”とは?

せっかく休むのであれば”100パーセントフル充電”をして、元気に仕事や家事に打ち込みたい。効果的な休養の取り方はどのようなものなのだろうか。「活動→疲労→休養というサイクルの中に、疲労を打ち消すような要素、つまり『活力』となる要素を足すことをおすすめします。ただの休養だけでは50パーセントしか充電できないところに、活力を高め、フル充電に近づけていくイメージです。活力を高めるための積極的・主体的な休養のことを、私は“攻めの休養”と呼んでいます」

「生理的休養」の3タイプ

片野さんによると休養は、生理的休養、心理的休養、社会的休養の3つのパターンに分かれる。さらにそれを1〜3タイプに分けたのが、片野さんが考案した「7つの休養タイプ」だ。それぞれのタイプごとに具体例を見ていこう。

休息タイプ

休息タイプは、睡眠や休憩、ソファで横になるなど、一般的な「休み」のイメージに近い休み方を指す。「睡眠をとることや『今週は寝不足だったから、数時間横になろう』と自分で決めて、主体的に休憩するのは必要なことです。ただし、やることがないからと言って、漫然とゴロゴロするのは望ましくありません」

運動タイプ

片野さんが提唱する休養学では、激しい運動ではなく、ウォーキングやストレッチ・ヨガなど体を軽く動かすことを運動タイプの休養に分類する。軽い運動は血流を良くして、老廃物の除去を促進する。更にリンパの流れが良くなり、疲労感の軽減につながるそうだ。さらに夜になると副交感神経型が高まって、深い睡眠が取れるという嬉しい効果も期待できる。「運動が難しい場合は、入浴もおすすめです。体が外から温まる上、水圧がかかることで血行が良くなるので、老廃物が除去されて酸素と栄養が細胞に届きますよ」

栄養タイプ

一般的には「栄養バランスの良い食事をすればよいのでは?」と思いがち。しかし、休養学では食べないことや食事の量を減らすことを栄養タイプの休養に分類する。片野さん曰く、食事を減らしたり、あるいは食べなかったりすることで、体の消化器系を休ませて老廃物を排出するデトックス効果を得られるという。一方で、疲れたり、ストレスが溜まったりすると、やけ食いやスイーツに走ってしまう人もいるだろう。一見ストレス解消になりそうな行為だが、休養学的にはNGだ。「やけ食いをしたりスイーツを食べると、体の中でコルチゾールというホルモンが出て緊張・興奮状態になります。副交感神経を高めてリラックスすべきタイミングで興奮状態になり、寝付きが悪くなることもあるので注意が必要です」

「心理的休養」の3タイプ

親交タイプ

「親交タイプの休養」は、同僚との会話や、家族とのハグ、ペットとのふれあいなど、人などと交流を持つことでストレスを解消して、活力を得る休み方を指す。また森林浴などで自然と触れ合うことも、このタイプに分類される。
「人付き合いが苦手な人は、無理に親交を深める必要はありません。ただし同じマンションですれ違った人に会釈をするなど、些細なコミュニケーションであっても、それが自分の感情をポジティブにしてくれることもありますよ」

娯楽タイプ

音楽を聞く、映画を観る、習い事をする、一定時間ゲームをするなど、主体的に趣味・嗜好を楽しむのが娯楽タイプ。娯楽の一つとして「気分が良くなる行動」を、スマホやメモ帳にリストアップしておくのも、片野さんのおすすめだ。「『鼻歌を歌う』『炭酸飲料を飲む』など、これをすれば気分転換できるという行動をいくつか集めておいて、ストレスを感じたら実行するとよいでしょう」

造形・想像タイプ

造形・想像タイプの休養には、絵を描く、手芸をする、DIYに打ち込むなどの創作活動全般が分類される。加えて、瞑想や空想もこのタイプ。必ずしも実際に何かを作る必要はないので、日常生活で手軽に取り入れやすい。
「例えば仕事中に目をつぶって、ビーチで寝転んでビールを飲んでいる自分を想像するだけでも、立派な想像タイプの休養になります。コツは、思わずニヤッとしてしまうような楽しいことを考えること。休養をとる上では、ストレスを感じるものから物理的・心理的に”分離”することが大切なのです」

「社会的休養」

転換タイプ

服を着替えたり、部屋を掃除したり、買い物や外食をすることは転換タイプの休養に当てはまる。外部環境を変え、気持ちをリセットするのが狙いだ。
「旅行は転換タイプの最たる例。長期休暇に多くの人がこぞって旅行に出るのは、旅行が気分転換になることを知っているからでしょう」

タイプを組み合わせて“最強の休養”をデザインする

7つの休養タイプはいくつか組み合わせて実行することで、疲労回復効果が2倍にも3倍にもなるという。「同じ時間を使うのであれば、一度にいくつかの休養を取り入れるほうがお得ですよね」と片野さんは語る。特に片野さんがおすすめするのは、スープ作りだ。
「料理をすることは材料や調味料の組み合わせを考えることになるので、造形・想像タイプの休養になります。もし料理が好きであれば、娯楽タイプの休養にもなるでしょう。
暖かく消化に良いスープを食べるのは、栄養タイプの休養。さらに、家族と一緒にスープを作れば、親交タイプにもなります。さらにスープをジャーに入れて公園で食べれば、公園までの道すがらウォーキングが出来て、運動タイプを満たします。さらに、場所も変わるので転換タイプでもありますよね」

また仕事中にできる休養としては、同僚とのランチがあるという。
「同僚とコミュニケーションをとるのは、言わずもがな親交タイプ。ランチを選んでそこまで足を運ぶのは運動タイプですし、『どんな料理だろう?』と楽しい想像を巡らすのは造形・想像タイプの休養になりますね。同僚とのランチは、仕事中にも気軽にできる良い休養だと思います」

いくつかの休養を組み合わせて効果を感じたら、それを自分の中のルーティーンにしてしまうのも良いとのこと。しかし意気込んで、休養の方法をあれこれ欲張ってしまうのは禁物だ。まずは1つの休養を試して、効果を感じたものを記録しておく。それを2〜3個組み合わせてみるのが、片野さんのおすすめだ。「良い休養を組み合わせていくと、活力を得られる自分オリジナルの休養モデルが出来ますよ。休養も技術の一つ。試行錯誤を重ねて、自分に合った休み方を見つけましょう」

2024/8/26

緩和ケア病棟に癒やしのロボを 四日市・みたき総合病院 CF募る 自動で室内動き、視線交わすことも
 【三重県】四日市市生桑町のみたき総合病院は、緩和ケア病棟なごみへの家族型ロボット「LOVOT(ラボット)」導入のため、クラウドファンディング(CF)で寄付を募っている。施設で過ごす患者が家族のように接することで、気持ちを落ち着かせて穏やかな生活につなげてもらう。目標額は500万円。(軍司歩人)

 同病院は2000年に設立し、25の診療科があり、病床数199の総合病院。なごみは病院北側に隣接し、17年に受け入れを開始した市内唯一の緩和ケア施設。放射線や抗がん剤などの治療を終えたがん患者らを常時25人ほど受け入れている。

ラボットはベンチャー企業「GROOVE X(グルーブエックス)」(東京)が開発した高さ40センチほどのロボット。360度カメラや音声の方向を判別するマイク、照度センサーなどを内蔵し、自動で室内を動き、まばたきや自然に視線を交わすこともできる。ペットの代わりとして購入したり、幼児教育施設、企業などに導入されたりしている。

同病院の古橋亜沙子理事長によると、コロナ禍で患者と家族の接触が制限された中、看護師や介護福祉士らも業務に加えて感染対策に忙殺された。「患者が寂しさを感じ、精神的に不安定になるケースがあった」と振り返り、「患者のそばにいて傾聴してくれる存在が必要」とラボットの導入を決めた。

既に取り入れている介護施設を視察して利用方法などを聞き、今月からレンタルで1台を試験導入した。渡辺尚美看護師長は「引きこもりがちな患者がラボットに触れるために部屋から出てきている。スタッフとしても癒やされるし、いるだけで病棟内の様子が違う」と実感している。

購入するラボットは1台60万円ほどで、色や装備などによって異なる。同病院では4台を導入する計画で、寄付は購入費や管理に充てる。27日時点で371万円が集まっており、古橋理事長は「今後も患者に寄り添っていくため、これを機会に緩和ケアを知り、協力してもらえればうれしい」と呼びかけた。

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金ひげ先生
製薬企業で25年間新薬の研究に従事し、感染症・免疫炎症・中枢領域の医薬品研究開発に深い知識を有する他、国内外の最新医療動向にも詳しい。 最近は漢方やハーブ等、東洋医学にも強い関心をもつ。 薬学博士(Ph D、東京大学)、食品保健指導士、健康食品管理士/食の安全指導士、薬草コーディネーターの資格を保持。

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